ミニ講座「とっとりのカニ」
言わずと知れた鳥取の冬の味覚、カニ。
県産ブランド蟹「松葉がに」も本格的なシーズンを迎え、首都圏でその名を見かけることもあるのではないでしょうか。
鳥取のカニのおいしさの秘密や「松葉がに」の名前の由来、地元で楽しめるイベント紹介など、「中身の詰まった」活きのいい情報をお届けします。
-5つの「日本一」
まずはベニズワイガニやブランド蟹「松葉がに」など、カニ類の水揚げ量が日本一。2位の兵庫県との差はなんと約3倍。全体に占める割合は50%にも上ります。そして消費量も「日本一」。県内の学校給食(一部)でも振舞われます。他にカニの牧場面積や新鮮活がに出荷、カニにかける思いと、鳥取のカニは「日本一」ずくめです。
-おいしさの秘密
鳥取のカニのおいしさの秘密は、なんといっても日本海。特に山陰沖は九州から流れ込む対馬暖流と北海道からの寒流が合流する潮目に当たり、プランクトンが豊富で生産性の高い海域を形成しています。また、水深200m以深は「日本海固有水」という酸素をたっぷり含んだ冷たい海水で満たされているため、海底にカニの餌となる生物や有機物が多いのもカニの「おいしさの秘密」です。
-カニの身をきれいに取り出すには
鍋はもちろんのこと、かに雑炊や焼きがになど、楽しみ方はさまざま。ここでは、塩茹で時にカニの身をきれいに取り出す裏技をお伝えします。身がなかなか取れないのは、カニの腱(身の中にある透明な細長いスジ)が引っかかっているから。ポイントは「関節の内側をキッチンバサミで切る」こと。関節の内側を切り、脚の太い方を下にしてお皿に向かって振ると身がポーンと飛び出します。
(イメージ図)
-鳥取のカニの種類って?
①ベニズワイガニ…日本有数の漁港、境漁港(境港市)はベニズワイガニの水揚げ量が日本一。鮮やかな紅色で、水分が多く甘みが強いのが特徴です。漁期は9月から6月。ズワイガニに比べ安価で独特な味わいがあることから、地元では「ベニガ二」と呼ばれ親しまれています。
②松葉がに…ズワイガニのうち、成長した雄を「松葉がに」と呼び、県のブランド蟹として全国的に有名です。漁は11月上旬から3月。名前の由来には諸説あり、細長い脚の形や脚の肉が松葉のように見えるからという説や、カニの身を水に浸すと松葉のように広がるからなどさまざまです。一方で、雌のカニは「親がに」と呼ばれ、だしがよく出るので大根と一緒に煮込んで「かに汁」にして食べる家庭が多いです。
-11月第4土曜日は「鳥取県松葉がにの日」
ズワイガニ漁が解禁される11月以降、県内ではカニのイベントが目白押し。蟹の水揚げ量日本一を誇る境港市・境漁港のほか、鳥取市や岩美町の漁港などでイベントが催され、多くの来場者で賑わいます。また、鳥取県松葉がにPR推進協議会では、毎年11月第4土曜日を「鳥取県松葉がにの日」と制定していて、11月中は松葉がにのイベントが集中します。
(代表的なカニのイベント)
11月中旬 鳥取県岩美町田後(たじり)港 大漁感謝祭(岩美町、田後港)
1月中旬 カニ感謝祭(境港市内)