PEOPLE

2016/02/24

波田野州平さん

映画作家
gallery SEPTIMA代表

映画にすることで、消えてしまった歴史を立ち上がらせてみたい
 映画『TRAIL』は、鳥取県中部、特に倉吉と三朝を中心に撮影しました。鳥取を舞台にすることで地元を盛り上げたい! という気はありません…(笑)。たとえば三朝町の小鹿渓に足を踏み入れたときに、自然の姿にすごく惹かれ、どう映画に切り取るかイメージがふくらんでいきました。撮りたいものを撮るなかで、鳥取ともつながっていったらいいなぁと思います。
 最新作『断層紀』は、秋田県大館市で撮影しました。まったく知らない土地だったので、まずは地形や因習を民俗学の視点から徹底的に調べることから始めました。消えてしまった市民の暮らしや歴史を、映画にすることで立ち上がらせていく。それがすごく面白かった。鳥取にも教科書には載っていない歴史があるはずです。次回、鳥取で撮影するときは、そんな目には見えない部分をテーマに作品を作りたいと思います。

写真:上原朋也